もうこりごり!?の手術は避けて・・・

右肺に出来た腫瘍の除去手術については、3回も長々と書いてしまったが、実はこれが無事に終われば、続いてもうひとつ、別の手術をするつもりだった。

これまでにも何回か書いてきたが、僕はこの十数年来、「脊柱管狭窄症」というのに悩まされている。脊椎にあって神経を囲んでいる脊柱管が、加齢に伴って狭くなり、その結果、足が痺れたりする病気だ。いつもではないのだけど、時々そんな症状が現れ、歩くのに難儀する。

で、今年は思い切って「肺」と「脊柱管」の両方を手術しようと思っていた。ついては、順番をどうするか。どちらがより大変だろうか。慶応義塾大学病院の呼吸器外科と整形外科の医師に相談した。すると、脊柱管のほうはけっこう大きい手術で、患者の体力もいるが、肺の手術はごく軽いものだとのこと。じゃあ、まず肺からということにした。

ところが、あにはからんや、退院すれば体力はすぐ元に戻ると思っていたのに、まず足元がおぼつかない。したがって、速く歩けない。街中で、おじいさんやおばあさんにさえ追い抜かれてしまう。家人は「退院してすぐビアホールに駆け込んだりするからです。回復が遅れるので、アルコールは控えてください、とお医者さんはおっしゃっていましたよ」と言うが、僕はそんなこと聞いていない。結局、手術前と同じように歩けるまでには2カ月近くかかった。

脊柱管狭窄症の手術をやれば、全快までにもっと日数がかかりそうだ。うまくいかず、手術を2回、3回と繰り返すこともあると聞く。出来ればやりたくない。しかし、足が痺れるのはイヤだから、これまでいい加減にやっていた「体操」の類いを真面目にやって、治療に努めてみようか。

そう思っていたら、体操だけで脊柱管狭窄症を治したという友人がいた。僕と同い年で若い頃、一緒にサッカーをやっていた。ゴールキーパーの彼は今もボールを蹴っているが、一時は試合中、ゴールに立っていられないほど、足が痺れていた。それが今はなんともないとか。彼が経営している小料理屋でその体操を実演してもらったが、「肝心なのは筋肉を鍛えることだ」そうだ。

『脊柱管狭窄症は自分で治せる』(マキノ出版)という本を見つけてぱらぱらとめくっていたら、「テニスボール指圧」(下の写真左側)というのが目についた。筋肉のこわばりをほぐし、血流をよくするとのことだが、そういえば、愛知県で「スポーツマッサージ」なる看板を掲げている友人が、ビール瓶で同じように指圧したらどうか、と勧めてくれたことがある。結構やりにくいので、長続きしなかったが、テニスボールならそう面倒ではない。さっそく買ってきた。
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「スクワット」(上の写真右側)も筋肉を鍛えるのだから、悪くはないだろう。これもすぐに始めた。あと、3年ほど前にもこの欄で紹介したが、三角形の台(下の写真)の右端の突起に両かかとをつけて立ったりもしている。足の後ろの筋が引っ張られて、やや痛いけど気持ちがいい。この台はさっきのマッサージ師の友人がプレゼントしてくれた。最近はあまり熱心にはやっていなかったが、手術をやめたのをきっかけにまた励行し始めた。
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ところで、最近「発見」したことがある。今日は割合に足が痺れるなあといった時にスーパーマーケットに入り、買い物用のカートを押して歩いてみると、嘘のように痺れが消えていくのだ。脊柱管狭窄症のせいか、足首が痛い時もカートを押せば、痛みが消えてしまう。これをスーパーで何度も試しているが、裏切られたことはまだない。

整形外科の医者にこのことを話すと、「それは背中が丸くなっているからですよ。自転車に乗っている時も痺れることはないでしょ? あれと一緒です」と、相手にしてくれない。

しかし、この「背中が丸くなっているから」というのには、僕はどうも納得できない。丸くならず、背筋を伸ばしてカートを押していてもそうなのだ。どうしてなのか? 医者が相談に乗ってくれないのなら、これから自分の「研究課題」にしてみようか。案外、画期的な治療法が見つかるかもしれない。

まあ、そんなわけで、これまでは「いざとなったら手術すればいい」と甘えてきたが、今後は「退路」を断って、体操一筋で頑張ってみようと思っている。これについても、さっきの整形外科の医者は「よくなる場合もありますが、かえって悪くなる場合もあります」とのこと。でも、悪くなっても、殺されることはないのだから、気は楽である。手術は、もしやるとしても、ずっと先のことだ。