2008-01-01から1年間の記事一覧

悪条件下の日本語能力試験

毎年12月の最初の日曜日に、日本を含め世界いっせいに「日本語能力試験」なるものがある。国際交流基金などが主宰していて、日本人以外が対象。中国では今年、北京、上海、香港など31の都市で行われた。一番難しい1級から2級、3級、4級と、4段階が…

中国人の識別能力

朝まだき桂林市の七星公園。わが家から歩いて30分ほどの所にある大きな公園だ。中には北斗七星の形で7つの山が並んでいる。公園の4つの入り口からは老若男女が続々と吸い込まれていく。入れ替わりに出てくる人も多い。この七星公園は桂林市の観光スポット…

泥棒業界トライアングル?

道路に面した、わが家の門扉の錠が開かなくなった。鍵を差し込んで、どう力を入れてみても、びくともしない。数日は背丈ほどの門扉をよじ登って、泥棒よろしく出入りしていたが、日曜日、わが塾の生徒に頼んで人を呼んでもらった。やってきたおじさんは、錠…

注意力不足

わが塾の教壇(と言うほど立派なものではないが)の脇の椅子に座ったり立ったりしながら、もうすぐ始まる授業の準備をしていた。何回目かに椅子に腰掛けた時、お尻に何かつめたいものを感じ、次の瞬間には背中から頭のてっぺんまで水でびしょ濡れになってい…

結婚、子ども、仕事・・・

(日曜日の午後、わが塾で日本語を学んでいる生徒たちと、桂林市内の標高千メートルに近い山に登った。このあたりでは一番高い山だ。生徒が5人と塾で相棒の中国人の先生、それに僕の総勢7人。僕以外はみんな女性だ。上りは急な坂を喘ぎ喘ぎ1時間半ほど、下り…

足元が命

デパートをのぞいたら、1階で夏物の靴の特売をやっている。もともとこのデパートの1階にはけっこう広い靴の売り場があり、それに特売場が加わったものだから、さながら靴専門の大型店といった感じでさえある。そう言えば、当地のデパートではおおむね1階…

中国語もいろいろ

わが「東方語言塾」で日本語の勉強を始めた20歳過ぎの女性。桂林市が所属する広西チワン族自治区の田舎の出身で、地元の中学校を卒業して桂林に出てきた。そして、旅行業の専門学校に入ったが、まず困ったのが、教師の話す言葉がほとんど分からないこと。教…

動物たちとの付き合い方

桂林の自宅近くに「七星公園」という広い公園がある。それほど高くはない7つの山が公園内にあり、それらが北斗七星の形で並んでいるというので、この名が付けられたそうだ。7つの山の1つは頂上まで500段ほどの階段を伝って登れるようになっている。頂…

「郵便受け」は悲しからずや

昨年夏、広西師範大学の日本語科の教師を辞め、同時に大学内の宿舎も引き払って、近くに小さな一軒家を借りた。その際、借家には郵便受けなんてものは付いていなかったので、知り合いの中国人に頼んでプラスチック製の郵便受けを探してきてもらった。縦50…

たくましき生き物たち

朝、トイレに行くと、便器に『ごきぶりホイホイ』が逆さまになって転がっている。部屋の片隅に置いていた奴だ。アレ、夜中に僕が寝ぼけて、ここに置いたのかなあ? でも、変だなあ? 昨夜はそんなに酔っ払っていたわけでもないし・・・。 ちなみに、桂林のわ…

桂林名物「鉄格子」

国際的な観光都市「桂林」には三つの名物があると思う。一つは市内のそこかしこにあるカルスト地形の山々、二つめは山々の間の「両江四湖」、二つの川と四つの湖(と言っても大きくはないが)である。とりわけ上空から撮った写真を見ると、桂林はまさに「絵…

「文明乗車」の「文明市民」たち

老人や、赤ん坊を抱いた女性、妊婦などにはバスの中で席を譲る――桂林でも、以前に住んでいたハルビンでも、この点に関しては中国の若者たちは実に感心だ。もちろん、不心得者もいないわけではないが、弱者がバスの中で立ったままという光景には、まずはお目…

中国加油!! 中国加油!!

日本人 桂林市にも先日、北京オリンピックの聖火リレーがやってきました。私も見物に出かけたんですが、コース脇の歩道は人また人で歩けないくらい、「中国加油」「中国加油」(注・「加油」は「がんばれ」の意)の大合唱でした。テレビで中継もしていました…

中国人は「の」の字がお好き

わが東方語言塾は小なりとは言え、日本語では一応「高級」「中級」「初級」の3クラスを設けていて、それぞれ5人から10人ほどの生徒がいる。その初級クラスの授業はひらがなの「あいうえお」から始めるのだが、か行、さ行、た行、な行へと進み、「なにぬ…

張子の虎と大地震

5月12日14時28分、中国四川省成都市の近くを震源とするマグニチュード7.8の大地震が起きた。桂林は震源から1000キロほど離れているが、かなり揺れたらしい。「らしい」と言うのは、僕はその時、アパートの2階にあるわが「東方語言塾」で夜の…

「人権大国」中国?

日本人 長野での聖火リレーは一応、大過なく終わったようですが、チベットを支援する人たちと「中国がんばれ」と騒ぐ中国人とで騒然としていました。前代未聞の聖火リレーです。こんなことでは、北京オリンピックは果たして無事に開けるのでしょうか? わく…

わが主治医 Z先生

桂林に来てから、生まれて初めて僕に「主治医」ができた。地元の医科大学付属病院内科の主任医師で、日本で博士号を取った50歳代のZ先生。この大学の看板教授である。1年ほど前、高めの血圧のことで病院に行った折、内科の他の医者から「Z先生なら日本…

もう一度、スリに遭いたい

広西師範大学日本語科の学生4人と夕食の約束をした。レストランのテーブルに着き、肩に掛けていたウエストポーチを下ろすと、ファスナーが開いている。嫌な予感がした。中を覗くと、やっぱりと言うか、郵便封筒がない。封筒には1000元(約1万5000…

律儀な人たち

僕が広西師範大学で教えた女性からメールが来た。今は桂林からバスで5時間ほど離れた町の職業専門学校で日本語の教師をしている。近く桂林に行くので、ぜひ会いたいと言う。喜んで会って夕食をご馳走したところ、「先生、マフラーをお持ちですか」と聞く。…

毒ギョーザ事件の行方

日本人 ギョーザをはじめとして中国製冷凍食品から農薬が次々と出てきています。中国の食品は信用できない、と日本では大騒ぎです。ほんとに中国というのは困った国です。北京オリンピックも近づいているんですから、もっとちゃんとしてもらわないと困ります…

数字に「強い」人たち

自宅近くの市場の八百屋で大根とトマトを買った。八百屋といっても、地べたに商品を並べた程度のお店だが、おじさんはなかなかに威勢がいい。愛想もいい。 「大根1.1元(1元≒15円)にトマト3.2元、合わせて4.4元だ。ありがとうよ」 「エッ、4.…

授業料を値切る人たち

わが東方語言塾も新聞にチラシを挟んでみたり、あるいは、書店で日本語や韓国語のコーナーに来る人に声を掛けてみたり、それなりの宣伝をしてきた甲斐があって、電話での問い合わせもぼちぼち出てきた。残念ながら、僕には中国語でその相手ができないから、…

生徒や〜い

わが東方語言塾で日本語を五十音から習い始めた20歳代前半の女性がいる。旅行会社に勤めていて、なかなかに聡明だ。故郷は桂林のある広西チワン族自治区の田舎で、両親は農民だ。日本語を習い始めてしばらくして、このことを報告しようと両親に電話した。…

『なんのこっちゃ』再開の弁

朝日新聞電子版の通称「コラム畑」なる欄で『なんのこっちゃ』の連載が始まったのは、たしか2002年5月だった。当時、ハルビンの大学にいたので『ハルビン発なんのこっちゃ』と称していた。その後、06年8月に桂林の大学に移ってからは『桂林発なんの…