2009-01-01から1年間の記事一覧

謝らない人たち

わが塾に面して大きな交差点がある。横断歩道を渡ろうと、歩道から一歩だけ車道に降りて、車の流れが止まるのを待っていた。すると、お尻の辺りに軽く何かがぶつかったような感じがした。振り向くと、スクーターに乗った太った女が僕をにらみつけている。ス…

秋刀魚を「知らない」人たち

レストランの壁に秋刀魚らしき魚の料理を写したポスターが張ってある。目を凝らすと「烤秋刀魚」と書いてある。日本語で言うなら「焼き秋刀魚」だ。おや、中華料理の店でも「秋刀魚の塩焼き」を出すようになったのかしらん。中国に来て以来、日本料理店に行…

当てにならない人たち

中国から日本に帰るたびに会っている在日の中国人夫婦がいる。僕よりずっと若くて、IT関連の事業を営んでいる。なかなかに教養があり、絵も字も実にうまい。印鑑を彫ってもらったし、自作の掛け軸をもらったこともある。もう十数年の付き合いだ。同じ埼玉県…

観光客の皆さん、日本語の普及にご協力を!!

桂林は国際的にも有名な観光地であるから、外国人の旅行客が多い。当然、日本人もよく見かける。ホテルは日本語のできる従業員がぜひ欲しいはずだ。そう考えて「わが東方語言塾で従業員に日本語を勉強させませんか」と、ホテルに持ち掛けることがある。だが…

日本人は「日本語」がお嫌い?

数年前、ハルビンにいたころに日本語を教えた女性。大学での専攻が日本語ではなかったせいもあり、日本語のレベルはそう高くはない。日本語能力試験の2級に通った程度だ。でも、たとえ給料が安くても、日本語の使えるところに就職したかった。念願がかなっ…

健全な軍国主義?

① ② ③中国の大学は9月が新学期。そのキャンパスには迷彩服に身を包んだ新入生たちの掛け声と足音が響く。「イー アール イー、 イー アール イー、イー アール サン スー・・・」いち にー いち、いち にー いち、いち にー さん しー・・・。手を振り、足…

続・広西ケチ風土記

東北地方(黒竜江、吉林、遼寧の3省、旧満州)から桂林の大学に入った某君の話。クラスメート、ルームメートには桂林を始め地元の人間が多い。ある日、東北出身のクラスメートと一緒に「たまにはみんなでビールでも飲みに行かないか」と、地元の連中を誘っ…

桂林街中「障害物」図鑑

① ② ③ 写真①で道路からニョキリと突き出しているのは、たぶん消火栓であろう。東京で言えば「銀座4丁目の交差点」といった感じの桂林市の都心部にある。何度かぶつかりそうになったことがある。写真②の消火栓(男性の足元、向かって右側)はさっきの奴より…

中国に「ありそう」で「ない」もの

経済の高度成長を続ける中国では、今やないものはないといった感じもする。スーパーや市場に行けば、日本と同じように、味もにおいもほとんどしない(食べたくもない)トマトもたくさん売っている。これも成長の成果(?)なのだろうか。そんな中国でも、実…

中国人女性が日本でびっくりしたこと

日本へ観光に出かける中国人が増えている。これまでは団体旅行にしか出なかった観光ビザも、先月からはお金持ちに限ってだけど個人にも出るようになった。以下は中国人女性に聞いた「日本に旅行してびっくりしたこと」のいくつかである。その一、おばあちゃ…

人を見たら 泥棒と思え

わが塾の入り口の錠前がおかしくなった。家主に言うと、さっそく2人組の錠前屋を派遣してきた。1人は50歳くらい、もう1人は30歳がらみの男だ。なんでも、警察署の前で営業している信用の置ける連中だとのこと。わが塾の優等生の女性に通訳をしてもら…

たかがトイパー されどトイパー

2年前、わが塾をつくった時、トイレにトイレットペーパーを置くかどうかで、相棒の中国人の先生とちょっとした「論争」になった。彼女が言うには、中国では学校でもレストラン、デパートでも、トイレにトイパーのないのが普通である。従って、わが塾のトイ…

塾を始めて早2年

わが「東方語言塾」に姉妹で通っているのが二組いる。その一組で、大学生の姉が韓国語、フリーターの妹が日本語を習っている2人が数日前、「先生、私達2人分の授業料です」と、5400元(1元≒14円)を持ってきた。「エッ、授業料って、なんのこと?」…

「為人民服務 毛沢東」

わが「東方語言塾」の正式の名称は「桂林市東方語言翻訳諮詢服務部」と言う。「服務」は「奉仕する」「サービスする」といった意味。1か月ほど前に桂林市の工商行政管理局なる役所から使用を許された名前である。何やら市役所の一部門のようだが、そうでは…

「時間」を支配する人たち

たまたま知り合った桂林のホテル社長を日本料理店に招いた。一度ご馳走になっているので、そのお返しだ。だが、約束の時刻を10分ほど過ぎても現れない。場所が分からないのだろうか。電話してみた。「今、陽朔を出てバスでそちらに向かっているところです…

手抜きコンクール

これまでの塾が手狭になってきた。まだまだ赤字なのだが、生徒数だけは増え、たった二つしかない狭い教室は溢れんばかり。5月の連休を利用して、もう少し広い所に移ることにした。生徒たちも動員して探し回ったら、家賃は少々かさむが、これまでより都心に…

にせ少数民族

30歳代前半の中国人女性が60歳代の日本の老人と結婚した。女性は桂林の生まれ育ちで、民族は漢族。漢族は56民族からなる「多民族国家」中国で、人口の九十数パーセントを占め、圧倒的な勢力を誇っている。彼女にとって、漢族に属することは、何かと有…

桂林人の美的感覚

3年前の夏、僕は北のハルビンから南の桂林に移ってきた。平凡な表現だけど、桂林の街中は「緑のトンネル」といった感じの道路が、まさに綾なしている。ハルビンでも、日本でも、こんな道路はざらにはない。と言うより、まず見かけない。桂林の人たちの美的…

長距離バスで「小豚」を売らないで!!

この地に「子豚を売る」という話がある――ある所で「○○行き」のAバスに乗る。ところが、このバスは○○までは行かない。途中でBバスに乗り換えなければならない。AバスとBバスのオーナーは「ぐる」で、示し合わせてこんな路線を走らせている。「運がいい」時に…

「水槽」の中の生活

このところ、桂林は雨の日が多くなった。どうやら、雨期に入ったらしい。朝から晩までザーザーというわけではないし、晴れる日もあるが、おおむね降ったり、やんだり、だらだらと降っている。そして、観光案内や旅行記の類を繰っていると、「雨で霞む桂林の…

偽札と生きる

わが塾で日本語を習い始めた二十歳前の女の子二人が泣きだした。二人は塾の近くの文房具店で一緒に働いている。聞けば、わずか1か月の間に客から3枚もの偽の100元札(1元≒13円)をつかまされ、その分を給料から差し引かれてしまったのだそうだ。10…

続「郵便受けは悲しからずや」

去年秋、日本の家族や友人から桂林のわが家に「航空便を送った」というメールが3通あった。うち1通は半月ほどかかって届いたが、あと2通は年を越した今も、まだ届かない。郵便を送った、とわざわざメールで知らせてくれる人ばかりではないだろう。ほかに…

広西「ケチ風土記」

(その一)東北(旧満州)出身で桂林の男と一緒になった女性が、結婚7年目にして離婚した。夫は水道の水をジャージャーと流すのを好まない。いつもポトポトと出したのをタライに溜めておき、それを使うのを主義としている。ポトポトだと、水道のメーターが…

「貧乏塾」の新年

明けましておめでとうございます。 と言っても、新年をもっぱら春節(旧正月)で祝う中国である。わが「東方語言塾」も大晦日の晩まで授業をし、新年の休みは2日間だけ、3日からはまた授業が始まる。年が明けたという感じはあまりしない。ただ、わが塾では…