2011-01-01から1年間の記事一覧

日本語の上達を阻むもの

以下はわが塾での教師と生徒の初対面のやりとりである。この生徒はすでに日本語には自信満々なので、最初から日本語で会話している。A:あなたは学生ですか。それとも、何か仕事をしていますか。 B:おれ、今、学校なんだ。 A:学校で何を勉強していますか。…

わが「詐欺」商売

わが塾に大学1年生の女の子が「日本語を習いたい。卒業まで続けて日本語能力試験の1級を取るつもりです」と言ってやってきた。南寧からちょっと離れた町の出身だ。大学での学院(日本で言う学部)は日本語とは関係がないが、もともとは日本語を専攻したか…

「肘をついて食べる」のは是か非か

夏休みで日本に帰った折のこと、昼食をとろうとレストランに入った。テーブルに座って見渡すと、少し離れた所に家族らしい4人連れがいた。30歳代と思しき男女と5歳くらいの男の子、それに年配の女性――人相、風体からは日本人か中国人か韓国人か全く分か…

入れなかった「博覧会」

わが南寧で10月21日から26日まで「第8回 中国―東盟博覧会」が開かれた。「東盟」とは中国語の「東南亜国家連盟」の略、つまりアセアン(ASEAN 東南アジア諸国連合)のことだ。南寧に来てから、この「東盟」という単語をよく見掛ける。南寧や桂林が属…

遅まきながら、わがスリ対策

南寧市の公共バスに乗った。国慶節(建国記念日)の1週間の休暇の最中とあって車内はかなり込んでいる。しばらくバスの中ほどに立っていたが、後ろの方が少し空いたので、そちらに移って座席に腰掛けた。財布は短パンのお尻のポケットにあるはずだ。でも、…

「ごみ」と「ごみ箱」と「掃除のおばさん」の三角関係

歩道を歩いていると、右前方の文房具店から若い男が出てきた。男の手には飲み終えたと思われるジュースの缶が握られている。男は車道との境目にあるごみ箱に向かって歩いている。そして、ごみ箱から1メートルほどの所で立ち止まり、ごみ箱に向けてジュース…

落とし物を拾ったら あとが大変

わが塾の近くにある広西大学のグラウンドで財布を拾った。ほぼ毎日の朝早く、塾の女性たち10人ほどを集め、ここでサッカーのまねごとをしている。その時のことだ。「財布を拾った」と簡単に書いたが、実はこの地では何かを拾った場合、あとをどうするかが…

募集しているのは生徒なのに・・・

わが塾の電話が鳴る。「はい、こちら東方語言塾です」「そちら、日本語を教えている所ですか?」「はい、そうです」。日本語を習いたいという電話に違いない。生徒が増えるのは何よりもありがたい。女声の相手が言葉を続ける。「私、日本語の教師です。そち…

少な過ぎる情報にイライラ

夏休みで日本に一時帰国した戻り、大阪から上海行きのフェリー「蘇州号」に乗った。1万4千トンほどの結構大きな船で、船会社は日中合弁だが、乗組員は中国人。中国交通部(交通省)が出した「一級文明客船」という金色の掲示が麗々しい。実質的には中国の…

疲れます 日本国へのビザ申請

知人の中国人から「久しぶりに日本へ行きたいので、招聘していただけないだろうか。金銭面での迷惑は一切かけない」と頼まれた。日本国の中国人へのビザ(査証)発給は最近、条件が少しずつ緩和されている。例えば、年収がいくら以上などといった金持ちには…

せこいお客

中国っていいなあ――つくづくそう思ったのは、もう15年以上も前のことになろうか。仕事の関係もあって中国に頻繁に来るようになった頃だった。ただ、それは我ながら実にせこい理由からである。当時、よく中国人と一緒にレストランで食事したのだが、その折…

せこいレストラン

南寧で羊肉の鍋のいい店を見つけた。日本式に言えば、羊肉のしゃぶしゃぶである。結構大きな店で、大小のテーブルが100やそこらはあろうか。それでも、平日、休日を問わず夜7時ともなると満員になる。店の名前からするとチェーン店のようだが、一度行っ…

女子サッカー「なでしこ南寧」誕生

ひょんなことからほぼ毎朝、わが塾の女性たちを集めて、サッカーの練習をするようになった。この4月の初め、生徒2人が「プレゼントです」と言って、サッカーボール1個を僕にくれた。「じゃあ、3人でちょっと蹴ってみようか」と、近くの広西大学のグラウ…

農村の「結婚式」

5月某日、ちょっと遠方の結婚式に出掛けた。南寧から汽車で5時間余り、そこからバスで1時間の農村。桂林時代に生徒だった女性の妹の結婚式である。独身の姉は今、桂林で日系の会社に勤めている。日本語こそイマイチだが、わが塾ではなかなかに存在感があっ…

杖の効用

もう1年余りになろうか、外出の折には杖を持ち歩くようになった。なに、足腰がそれほど弱ったわけではない。最初は猿を撃退するためだった。桂林にいた時、塾の近くの七星公園にある山によく登っていた。頂上まで階段がついていて、その数550段余り。ほ…

アパート探し

桂林から南寧に塾を移すに当たっては、当然のことながら、まずアパートを探さなければならなかった。塾兼住宅用として150平方メートルほどの家2軒を、それもできるだけ隣り合って借りたい。どうやって探すか。日本でなら不動産屋に飛び込むところだが、…

いま一度「石の上にも三年」

前回にも少しだけ書いたが、日本語、韓国語、中国語を教えるわが「東方語言塾」は先月、引っ越しをした。この3年余りの間で引っ越しは2回目だ。1回目は同じ桂林市内だったが、今回は桂林から南へ400キロほどの南寧市へ移った。汽車が定刻通りに走って…

逃げるべきか とどまるべきか

実はつい最近、同じ広西チワン族自治区の中ながら、わが「東方語言塾」を桂林市から南方へ400キロ余りの南寧市に移した。そのため『なんのこっちゃ』のタイトルも少し変え、今回はその話から始めるつもりだったが、やはりこの時期は「東日本大震災」にか…

ヤミの両替

まずは、地震のお見舞いを申し上げます。わが塾のすぐ近くにある「中国銀行」の支店へ両替に行った。所定の用紙に必要事項を書き込み、椅子に座っていると、普段着のおばさんが寄ってきて、しきりに話しかける。ヤミで両替しないかと勧めているようだ。ヤミ…

「騒音」はお気に召すまま

「ピーポ ピーポ ピーポ ピーポ ピーポ キュイッー キュイッー キュイッー キュイッー」「ウィーン ウィーン ウィーン ウィーン ウィーン」「ピュイッ ピュイッ ピュイッ ピュイッ クィッ クィッ クィッ」以上、「音」をどこまで正しく伝えているのか、僕の…

おじいちゃん、おばあちゃんの「日々是好日」

散歩していて一瞬「何ごとか」と、わが目を疑ったほどだった。下の写真にあるごとく、粗末な、テントとも言えない覆いの下で、大勢のおじいちゃん、おばあちゃんがカードで遊んでいる。おじいちゃんの方が多く、ひとテーブルに3人か4人ずつ、ざっと数える…

四輪車「もどきエンブレム」図鑑 日本メーカー篇

韓国の「ヒュンダイ」(現代)は「ホンダ」の「H」のエンブレムを傾けて自分のものにしてしまったが、中国のメーカーも「H」をいじめている。桂林の街で見掛けたのは二つだが、随分な加工のしようである。これでも遠くからだと「H」に見えてしまう。ちな…

四輪車「もどきエンブレム」図鑑 海外メーカー篇

街中でスクーターやバイクのマーク、エンブレムを眺めては「HONDA」の真似だ、「SUZUKI」のパクリか、なぞとやっているうちに(12月15日付「『NDNDA』・・・」をご参照)、四輪車についてもそれを注意して眺める癖がついてしまった。や…

中国共産党とのお付き合いは ほどほどに

あけまして おめでとうございます 本年も 死にたいほど退屈な折などには 駄文にお付き合いくださいますよう お願い申し上げます北京から来た知り合いの夫婦が最近の物価上昇についてひとしきりぼやいて帰って行った。「ダイコン、ハクサイ、ジャガイモからテ…