2014-01-01から1年間の記事一覧

「お別れ会」「偲ぶ会」って、どう思いますか

今世紀になってから、僕は1年のほとんどを中国で暮らしてきた。今年は何かと訳もあって大半を日本で過ごしたが、中国での暮らしにはいい点がいっぱいあった。そのいい点の一つだと言えば顰蹙(ひんしゅく)を買うだろうが、日本の知人、友人や親戚の葬式を…

「1日1・5食」の試み

中国からたまに日本に戻ってくると、「太ったね」「おなかが少し出てきたわよ」と、よく家族に言われる。確かに、日本でたまたまお葬式があって、20年ほど前に作った礼服を着ようとすると、おなかの辺りが実にきつい。中国にいると、朝、昼、晩の3食をき…

「シルバー軍隊」はいかが

松元ヒロさんというコメディアンがいる。「ひとり立ち」「ひとり語り」などと称してひとりで舞台に立ち、文字通りひとりで1時間半ほどしゃべりまくる。62歳。高校、大学時代は駅伝の選手だったとか。テレビにそう出るわけではないので、超有名ではないが…

身軽な人たち

わが塾の生徒だった20歳代の女性からメールが来た。「先生、ご無沙汰しておりますが、お変わりございませんか。私は今、杭州の旅行会社で元気に働いています。いろいろご心配をお掛けしましたが、どうかご安心ください」。エッ、また引っ越したの? 彼女は…

日本の土産 中国の土産

東京のホテルのフロントに40歳前後の中国人女性がそれこそ血相を変えてやってきた。「すみません、ジャガイモの皮むき器はどこに行けば買えますか?」。まもなくチェックアウトする予定の北京からの宿泊客である。空港へのバスの出発時刻まであと1時間余…

わが懐かしき「盲人按摩」

全盲の男のマッサージ師が白い杖を頼りに盲道(点字ブロック)を歩いていた。そこへ自転車がぶつかってきた。転びそうになった。男の野太い声が聞こえてきた。「注意しろ。あんた、めくらか」。マッサージ師は「ええ、私はめくらです」と答えた後、この無礼…

「地下鉄」と「おもてなし」

前回、このブログで東京のカラスの多さは「おもてなし」の精神に反するのではと書いたが、おもてなしに関してもうひとつ思い出した。東京の地下鉄やJRなどは外国人に不親切で、使うのに疲れる――最近増えている中国人観光客、とりわけ台湾人や香港人からの…

「カラス」と「おもてなし」

塾の生徒で、地元南寧の広西大学日本語科4年生の男の子がこの夏、団体旅行で初めて日本に来た。東京の空港に着いた時は、日本に来たという感じはあまりしなかった。空港なんてものはどこの国でもまあ似たり寄ったりだからだろう。宿舎に向かう途中、道端に…

生者にとっての「善い死者」と「悪い死者」

中国の農村に年老いた母をひとり残し、国の内外を飛び回っている男がいた。結構稼いでいるのに、ろくに仕送りもしない。老母は貧窮のうちに亡くなった。母親の死後、男の態度は一変した。葬儀は丁重かつ盛大におこなった。荒れ果てていた墓も修復し、生い茂…

押し売りの「技術」と「度胸」

南寧に住む若い女性がある日、鶏肉製品の有名チェーン店に鶏の手羽を買いに行った。手羽は日本人はそうは食べないようだし、僕は手羽を見ると、何よりも赤ちゃんの手を思い出してしまう。人間の手を食べるようで僕の苦手な食べ物だが、中国人には好きな人が…

祝 新生「東方語言塾」

この十数年来、春節(旧正月)の休みは1カ月ほど日本にいたらすぐ中国に戻っていたのだが、今年はもう6カ月ほども日本にとどまっている。「脊柱管狭窄症」による足の痺れを治してしまいたいというのがその最大の理由で、南寧の我が「東方語言塾」の授業も…

中国人観光客の「人気スポット」

サッカーのワールドカップで日本が初戦を落とした少し後、東京の某ホテルのフロントに4人の中国人宿泊客が現れた。男女2人ずつ、みんな20歳代半ばに見える。そして「ワールドカップを見る場所を紹介してほしい」と言う。その意味を理解しかねたフロント…

考える力が衰えてきた?日本人

中国から帰国して早々、コンビニで少し声を張り上げてしまった。事の次第はこうだ。娘夫婦の家に泊まって朝早く目が覚めた。なぜかビールが飲みたくなったが、冷蔵庫を勝手に開けるのは気が引ける。近くのコンビニに行き、缶ビールを10個ばかりレジに持っ…

「席料」という新たな悪習

東京・新宿の東京都庁。南館と北館の45階にそれぞれ360度が見渡せる展望室がある。入場料が要らないこともあってか、外国人観光客の「定番スポット」になっているようだ。夜、北展望室にある喫茶店兼レストランのようなところに3人で入った。連れの女…

コワイ日本人客 ヤサシイ中国人客

東京のある高層ホテル。日本人客よりもアジア人を中心にした外国人観光客が多い。そのフロントに60歳くらいの日本人の男がやって来て言った。「東京の城はどこにあるの?」。尋ねられた女性はびっくりした。「エッ、東京のお城ですか? 聞いたことがござい…

ある「成功者」の半生

何年か前、中国南方の大都市で行われた結婚披露宴。会場は当地ナンバーワンのホテルで参会者は1000人を超えた。各テーブルには子豚の丸焼きが1匹ずつ。もったいないことには、皮だけを食べ、残りは持ち去られた。一人ひとりの皿に置かれた大きなエビは…

中国人の飲み方、日本人の飲み方

少し前、新聞に「中国ロケで泥酔死亡に労災認定」という記事が出ていた。それによると、4年前、NHKの番組ロケで中国に滞在中の男性スタッフ(当時31歳)が「中国共産党関係者との宴会で、アルコール度数が高い酒をコップで一気に飲み干す中国流の乾杯…

塾をリストラ

わが「東方語言塾」は広西チワン族自治区の桂林で4年近く、南寧で3年近くやってきたが、ここらで一区切りをつけ「リストラ」することにした。看板はそのまま残し、引き続き日本語を教えていくが、教師役は古手の生徒4〜5人に任せてしまう。みんな女性で…

日中「船旅」の勧め

君たちが将来、旅行や留学で日本に行くことになったら、最初は飛行機なんて駄目だよ、ぜひ船で行きなさい――僕は塾で日本語を教えている生徒たちにかねがねそう勧めてきた。だって、飛行機だと、いったん空港を飛び立ってしまえば、日本に着くまでずっと狭い…

水のない川、体を包み込む大気汚染

わが南寧在住の知人の女性が春節(旧正月)を挟んでしばらく、鄭州にいる息子のもとに行っていた。鄭州は河南省の省都で、人口1000万ほどの大都会である。僕も昔、仕事で何回か行ったことがある。郊外を黄河がとうとうと流れていた。名前の通り、黄色く…

「建前」の作文と「本音」の作文

わが塾で時々、作文の指導を集中的にやる。相手は大学生が中心だが、最初の頃はその作文の中身がなんとも面白くない。退屈なのが目立つ。例えば、まずは書き易いものからと「父」「母」「親と子」といったテーマを与える。すると「父は私の学費を払うために…

ギスギス イライラ、嫌がらせ

[第一話] 最近、果物が高い。わが塾に近い果物屋のおばさんに「高いねえ」とぼやくと、以前は「仕方ないよ」と言う声が返ってきた。仕入れ値が高いから・・・と言うのであろう。でも、最近は同じことを言ったのに、同じおばさんから「じゃあ、買うな」「買う…

超「上から目線」の鉄道

鉄道の南寧駅へ切符を買いに行った。中国人が大切にする春節(旧正月、今年は2月1日)のかなり前だから、売り場はそれほど混んではいなかった。それでも、10以上ある窓口にはそれぞれ20人ほどの客が並んでいた。とにかく、鉄道の切符を買うのはこちら…

今年の課題は「サブカルチャー」の勉強

あけまして おめでとう ございます 本年も駄文にお付き合いのほどをお願い申し上げます。年末の日曜日、わが住まいに近い広西大学のキャンパスを散歩していた。体育館のそばを通り掛かると、コスプレ姿の女の子、男の子が出入りしている。中が騒がしい。窓か…