コロナ禍で「スーパー通」になった!?

コロナ禍もようやく収まりつつあるのか、はたまた再拡大に向かうのか、微妙な情勢の昨今だけど、この2年半ほど、格別の趣味もない僕は、家の周りの散歩で時間をつぶすことも多かった。そして、散歩の途中には、4軒ほどあるスーパーマーケットのいくつかに立ち寄る。まあ、言ってみれば「中継地」である。そして、しばらく店内をうろつく。

そんなことをしているうちに、全く同じ商品でもスーパーによって値段が違うことに気づいた。当たり前と言えば当たり前だけど、それが随分と違うのだ。例えば、最近もっぱら飲んでいるバーボンウイスキーの「ジムビーム」である。2・7リットル入りのペットボトルを買ってきて、家で1リットルの空き瓶に小分けしているのだが、これがいつも買うA店では税抜きで3698円である。ところが、B店では同じく税抜きで3999円、C店では4080円、D店に至っては4380円に跳ね上がる。A店より2割近く高い。

A店は優等生のようだが、すべてにおいてそうではない。例えば、僕が毎朝、食べているヨーグルトだけど、税抜きでB店では158円だが、A店では188円もする。2割近く高い。このヨーグルトは時々、A店でもB店でも安売りの対象になっているが、そんな折でもA店はB店よりも常に高い。家電の量販店に行くと、「他店より1円でも高い品は販売員までお申し付けください」と貼り出していたりするが、スーパーでは他店の価格なぞには全く関心がないのだろうか。

バーボンウイスキーでは他店よりダントツに高かったD店だが、ここもすべてにおいて高いわけではない。最近の僕はビールを飲む際には枝豆が欠かせない。で、茹でた枝豆をスーパーに買いに行くのが日課のようになっている。その枝豆の値段だけど、バーボンの安いA店では、税抜きで100グラム当たり148円する。ところが、D店では同じく税抜きで108円だ。少し前までは確か98円だった。ところが、残念なことに、味がイマイチである。僕は泣く泣く4割近くも高いA店の枝豆を買ってきている。

いやはや、かつては大志を抱いた僕も、今やスーパーの食い物の値段に一喜一憂している。情けないとは思うけど、まあいいや、もう少しスーパーの話を続けると――スーパーでは昨今、レジ袋は有料が普通だが、B店では感心なことに今も無料である。しかも、レジ袋を断ると、「エコロジーポイント」と称してレシートに2ポイント、つまり2円を付けてくれる。ただし、2ポイントが付くのは税込みで540円以上買った場合で、それ未満だと、レジ袋を辞退しても何も付かない。

「540円以上」をどうやって設定したのかは不明だが、せっかく辞退したのに、お返しがないとは納得がいかない。で、僕は買い物の額が400円や500円の時は普通、レジ袋を辞退しない。もらっておく。すぐには必要でなくても、いずれはゴミ袋などとして役に立つ。買い物額が540円以上の時はレジ袋を辞退し、エコロジーポイントを頂戴する。

ああ、僕って、せこいなあ。でも、次の話だけは、せこいせいだけではないと思う。それは、たまったポイントをスーパーがどういう形でお客に還元するかである。というのは、僕がよく行く4店のうち3店までが、500ポイントたまると、500円の「お買物券」を出してくる。だが、500ポイントをためるには、そのスーパーでいったいどのくらい買わなければならないか? 普通、税抜きで200円買うごとに1ポイントだから、税込みだと、10万円をかなり上回る額を買わないと、500ポイントにはならない。お買物券が欲しければ、500ポイントに達するまで、そのスーパーに拘束されてしまう。逆にスーパーにすれば、それが狙いだろう。

しかも例えば、何百ポイントとかがたまったカードを紛失すると、それらは無効になってしまう。カードを拾った人が素知らぬ顔でそれを使うことも出来るのだから、それはそれで仕方がない。僕も時々、カードを落とし悔しくて天を仰ぐ。

そこで、客にとっていいのは、たまったポイントが10でも、あるいは200、300でも、いつでも自由に使えることだ。500ポイントとかをためたい人は、自分の責任でやればよい。ところが、こうしたことをやっている店は、僕が通う4店のうちでは1店しかない。じゃあ、もっぱらその店で買えばいいということにもなるが、残念ながら、ここは商品の価格や品揃えの面でイマイチだ。うまくいかないものである。

まあ、以上のようなことを感じ、考えながら、コロナ禍の日々を生きている。