「町医者」の先生方とのお付き合い

暇に飽かしてスマホをいじっていたら、11月1日は語呂合わせから「いい医療の日」というのが出てきた。ワンワンワンから「犬の日」でもある。さらに、11月14日は同じく語呂合わせから「医師に感謝する日」だとか。「11」は「人と人」だそうだ。ちょうど今は11月だ。じゃあ、医師の話でも書いてみようか。

今年の初め、(気色の悪い話で申し訳ないけど)鼻水がちょくちょく出るようになった。早速、自宅近くの行きつけの耳鼻咽喉科医院に行ってみた。先生は声がはきはきしていて、愛想がいい。多い時には、待合室に20人やそこらの患者がいて、随分と流行っている。

2週間分の薬を処方してもらった。ところが毎日、真面目に飲んでも、全くよくならない。また、同じ医院に行き、別の薬を処方してもらった。でも、よくならない。3回目、4回目、5回目、それぞれ別の薬を処方されるが、依然としてよくならない。「先生、全くよくなりませんが…」と訴えると、「まだ、20種類くらい、別の薬がありますよ」とのこと。少し頭にきた。薬の実験台にされるのはご免だ。別のところに行ってみようか。

ネットで「川越市耳鼻咽喉科」と検索してみたら、「評判の耳鼻咽喉科6医院」というのが出てきた。誰が書いたのかは分からないが、その6医院の中には、僕が通っている耳鼻咽喉科も入っている。ちょっと驚いたけど、とりあえず6医院の中の別のところに行ってみることにした。わが家からはやや遠くて、電車でひと駅ある。

そして「おくすり手帳」も持参して見せ、「これだけいろんな薬を飲んでも、よくなりません。ちょっと変じゃないでしょうか」と、初対面の医師に訴えてみた。すると、「この先生は私の先輩で、非常に尊敬している方です。薬を処方する順番も全く正しいです」と、逆に僕が説教されてしまった。

仕方がない。「最後にもう一回だけ」と決めて、また元のところに行って、さらに別の薬を処方してもらった。飲み終えても、やはりよくならない。あきらめて放っておいたら、2週間後だったか、3週間後だったか、鼻水はあまり出なくなった。薬が遅れて効いてきたのか、自然に治ったのか、それは分からない。

30年以上通っていた東京・都心の歯科医院が昨年11月に医院を閉め、院長の息子がやっている別の歯科医院に通い始めた。閉院の理由は、院長が「80歳になったので、この辺りで…」と言っている――という話は以前に書いた。

ところが、しばらくは機嫌よく息子の歯科医院に通っていたのだが、このところ診療料金を巡って、息子との関係がギクシャクし始めた。実は、父親の歯科医院では、3か月ごとに行く定期検診で払うカネは、保険がきいて3千円ほどだった。高い時でも4千円か5千円だったと記憶している。ところが、息子のところでは、保険がきかず1万1千円も取る。
1千円は消費税だろうか。

これには、僕もいささか責任がある。最初に行った時、息子から「保険で3回、3千円ずつ払うよりも、保険なしで1回、1万円でどうですか」と言われ、よく理解しないまま、なんとなくOKしてしまったのだ。

しかし、保険がきかずに1回で1万1千円とは、どうも納得がいかない。前回、「なんで保険がきかない?」と、聞いてみた。すると、「制度が変わったもので…」と、これも納得がいかない。「じゃあ、保険がきくようにするには、どうすれば?」「1回ではなくて、2回来てもらえれば…」「その料金は?」「1回で4千円か5千円くらいでしょうか」

実は、息子の医院で僕を診療するのは、30年以上も世話になってきた例の先生なのだ。完全に引退するのは寂しいのだろう。息子のところで週2回、働いている。僕と息子とのやり取りを聞いて、心配そうに「ここは技術が高いですから、料金も少し…」と、僕の耳元で囁いたりされる。じゃあ、先生がやっていた歯科医院は技術が低かったのですか? さすがに僕もそこまでは言わなかったが、いずれは決着をつけなければ、と思っている。

もう1か所、割合によく通っているのは、わが家から歩いて15分ほどの整形外科医院である。僕もさすがに寄る年波…肩が痛い、太ももが痛い…ということがよくあって、そのたびにお邪魔している。医師はもう90歳に近いはずである。少し前までは午前午後、普通に医院を開いていたのだけど、体にきついのだろう、最近は午前中しかやっていない。しかも月に2回ほど、同じく整形外科医の息子がどこからかやってきて、代診している。老先生は耳もかなり遠くて、判断が正しいかどうか、失礼ながら、疑問に思うこともある。

最近も左の太ももが痛いので、老先生が処方した「抗炎症血行促進剤」を塗っていたが、一向によくならない。そこで、息子が代診の時を狙って行ってみると、「これじゃ、痛みは取れませんよ」とのこと。「経皮鎮痛消炎剤」なるものと痛み止めの飲み薬を渡された。

「いい医療の日」や「医師に感謝する日」からは内容がいささか離れてしまったが、ほかにも僕が行きつけの町医者は内科&外科、眼科、皮膚科、胃腸科…といくつかある。慶應義塾大学病院にも定期的に通っている。腎臓・内分泌・代謝内科、整形外科、恥ずかしながら泌尿器科といったところだ。それらの話はまた別の機会に……。